お釈迦の生誕を祝福する仏教行事で潅仏会(かんぶつえ)仏生会(ぶっしょうえ)といい、降誕会(ごうたんえ)などともいわれます。
古代から釈迦の生まれたインドで行われてきた行事からのもので、日本ではお盆とともに仏教伝来からの歴史があります。推古天皇代(606)、聖徳太子の提唱で元興寺で行われたのが最初とか。
この日、各寺には花で飾った花御堂(はなみどう)がつくられます。金属製の幼仏像をその中にまつり、甘茶が参拝者によってその誕生仏にかけられます。甘茶を潅(そそ)ぐ行事なので「潅仏会」。 花御堂は釈迦が生まれたところルンピニ園の花園を表しています。
甘茶とは砂糖入りのお茶というわけではなく、アジサイに似たユキノシタ科のアマチャを煎じた飲料です。麦茶に似た色をしていてちょっと甘くちょっとにがく、とろりとした飲みごこちがします。
お釈迦様の誕生は仏典を元に4月8日夜半とされます。農耕の始まりを祝す意味合いがあったり、甘茶を母乳と見たてて母性をたたえる日でもあったり します。
お盆は正式には[盂蘭盆会]と言います。これはインドの言葉の一つ、サンスクリット語のウラバンナ(逆さ吊り)を漢字で音写したものです。お盆のはじまりについては『盂蘭盆経』の中の親孝行の大切さを説いた教えが昔から知られています。それは、「お釈迦様の弟子の中で、神通力一番とされている目連尊者が、ある時神通力によって亡き母が餓鬼道に落ち逆さ吊りにされて苦しんでいると知りました。そこで、どうしたら母親を救えるのか、お釈迦様に相談にいきました。するとお釈迦様は、おまえが多くの人に施しをすれば母親は救われると言われました。そこで、目連尊者はお釈迦様の教えにしたがい、夏の修行期間のあける7月15日に多くの僧たちに飲食物をささげて供養したのです。すると、その功徳によって母親は、極楽往生がとげられました」という話です。
それ以来(旧暦)7月15日は、父母や先祖に報恩感謝をささげ、供養をつむ重要な日となったのです。わが国では、推古天皇の14年(606)に、はじめてお盆の行事が行われたと伝えられています。日本各地で行われるお盆の行事は、各地の風習などが加わったり、宗派による違いなどによってさまざまですが、一般的に先祖の霊が帰ってくると考えられています。日本のお盆は祖先の霊と一緒に過ごす期間なのです。
楞厳寺ではこの日、初盆を迎えられた精霊様の施餓鬼会を厳修します。
楞厳寺を開かれた建咲院第四世、白翁伝太大和尚様の「御法事」を毎年近隣の方丈様を拝請して厳修します。